
ニュースで目にすることも多い、詐欺の被害。結婚詐欺や投資詐欺、特殊詐欺などいろいろな詐欺があり、詐欺罪は身近な犯罪のひとつと言えます。
こちらのページでは、そんな「詐欺罪」について、構成要件や刑罰の内容、告訴するなら知っておきたいポイントなどをまとめました。
詐欺の被害に遭ってお困りの方、刑事告訴を検討している方などは、ぜひ参考にしてください。
詐欺罪とは?構成要件を解説
「詐欺罪」は、人を欺いて財物や財産上不法な利益を得ることなどにより成立する犯罪です。
「1項詐欺罪」「2項詐欺罪(詐欺利得罪)」の2つの類型があり、それぞれの内容は以下のとおりです。
■ 1項詐欺罪
財物を交付させる行為による詐欺罪がこちらの類型に該当します。たとえば、粗悪品を購入させて代金を騙し取る、「運用する」等の詐言を用いて投資用資金を集め自ら使いこむ、といった行為が当てはまります。
■ 2項詐欺罪(詐欺利得罪)
財産上不法の利益を得る、あるいは他人に得させる行為による詐欺罪がこちらの類型に該当します。たとえば、はなから料金を払う気がないのにサービスを利用し踏み倒す、といった行為が当てはまります。
詐欺罪の構成要件
詐欺罪の構成要件は下記4つです。
① 人を欺く行為(欺罔行為)
② 被害者の錯誤
③ 被害者の交付行為
④ 財物または財産上の利益の移転
この4つを満たしていて、なおかつ4つの間に一連の因果関係があると詐欺罪が成立します。
詐欺罪は検挙率が低い
詐欺罪は、検挙率が低いと言われる犯罪です。
検挙率が低くなる理由は、犯人が証拠を残さないケースが多いことにあります。
このように犯人の特定に至らない事案が多い詐欺罪においては、証拠をしっかり集めることが重要となります。
詐欺罪の法定刑
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
罰金刑はありません。
詐欺罪で告訴する際の注意点
詐欺事件で刑事告訴をしようと思っても、告訴状を受理してもらえないケースが少なくありません。
少しでも受理される可能性を上げるには、下記2つのポイントを押さえることが重要です。
証拠を集める
既述のとおり、詐欺罪は立証が難しいと言われる犯罪です。証拠となり得るものは、可能なかぎり残しておきましょう。
たとえば、以下に挙げるようなものが証拠となり得ます。
- LINEのトークやメール等でのやりとり履歴
- 契約書
- 振込先の口座情報
- 送金記録
- WEBサイトの記載情報
的確な告訴状を作る
告訴する際に提出する告訴状は、内容が不十分だとなかなか受理してもらえません。
犯人の処罰を求める意思や犯罪事実を具体的かつ明確に記載した、なるべく受理されやすい告訴状を作成する必要があります。
自分でそうした的確な告訴状を作成するのは簡単ではないため、弁護士や行政書士などの専門家に依頼することも検討しましょう。
なお当メディアでは、告訴状の書き方・出し方に関する知識も下記ページで解説しています。参考にしてください。
まとめ
今回は、詐欺罪での告訴について、構成要件や刑罰の内容、また詐欺罪で告訴する際の注意点などを解説しました。
最後に、今回の内容をおさらいしておきましょう。
■詐欺罪は人を欺いて財物や財産上不法な利益を得ることなどにより成立する犯罪で、「1項詐欺罪」「2項詐欺罪(詐欺利得罪)」の2つの類型がある。
■詐欺罪の構成要件は「① 人を欺く行為(欺罔行為)」「② 被害者の錯誤」「③ 被害者の交付為」「④ 財物または財産上の利益の移転」
■詐欺罪は検挙率が低い犯罪であり、証拠をしっかり集めることが重要。
■詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」
■詐欺罪で告訴する際には「証拠を集める」「的確な告訴状を作る」ことが重要