器物損壊罪の告訴について解説!成立要件や刑罰の内容まとめ

ニュースなどでも目にすることが多い、比較的身近な犯罪である「器物損壊罪」。

器物損壊罪は親告罪のため、告訴の対象になりやすい犯罪のひとつと言えます。

こちらのページでは、「器物損壊罪」での告訴について、成立要件や刑罰の内容、知っておきたいポイントなどをまとめました。

器物損壊罪での刑事告訴を考えている方や、器物損壊事件を起こしてしまいお困りの方などはぜひ参考にしてください。

スポンサーリンク

器物損壊罪とは?成立要件を解説 

器物損壊罪(刑法第261条)における「器物損壊」とは、他人の物を壊したり、傷付けたりする行為のことです。

この器物損壊行為に「故意」をもって及べば、器物損壊罪が成立します。

器物損壊罪が成立するには、下記成立要件が揃うことが必要です。

犯罪の実行行為…他人の物を損壊または傷害すること

故意…他人の物を損壊または傷害する「認識」があること

結果…他人の物が損壊または傷害されること

「他人の物」とは?

「他人の物」には、他人が所有するすべての有体物が該当します。

ただし、公用文書や私用文書、電磁的記録、建造物・艦船などについては、別の犯罪が成立するため器物損壊罪の対象からは外れます。

「損壊」とは?

物の性能や本来の価値を失わせるのが「損壊」です。

壊す、傷付けるといった行為のほか、隠す、汚すなど、事実上使用できなくする行為も該当します。

「傷害」とは?

損壊の対象が動物の場合には、「傷害」となります。

具体的にどんな行為が器物損壊罪に該当する?

物理的に壊す行為のほか、本来の目的では使えないようにする行為も、「器物損壊」行為にあたります。

それぞれの具体例を見てみましょう。

「物理的に壊す」行為例

・ガラスを割る

・タイヤをパンクさせる

・看板を殴り壊す

・枝(植物)を折る
など

「本来の目的では使えないようにする」行為例

・壁に落書きをする

・物を隠す

・物を持ち去る

・ペットを逃がす
など

器物損壊罪の法定刑

器物損壊罪の法定刑は、「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。

器物損壊罪で告訴する方法

器物損壊罪は、起訴するのに「告訴」が必要な親告罪です。

つまり、刑事告訴の手続きがされなければ、犯人は器物損壊罪で起訴されません。

器物損壊罪の被害に遭い、刑事告訴をしたい場合には、犯人への処罰を求める意思や犯罪事実を具体的かつ明確に書いた「告訴状」を作って警察署に提出しましょう。

告訴状の書き方・出し方に関する知識は「☞ ️告訴状の書き方をわかりやすく解説!」「 ️☞告訴状の提出先は?」のページからチェックすることができます。

器物損壊事件を起こしてしまったらまずは弁護士に相談!

器物損壊事件を起こしてしまった場合、早期解決を目指すには、被害者との示談が重要となります。

既述のとおり器物損壊罪は親告罪のため、起訴には告訴が必要です。

示談によって、被害者が告訴をしなかった、あるいは一旦した告訴を取り下げた、となれば起訴されることはないのです。

しかし、個人で示談を進めることは容易ではありません。

限られた時間のなかで、被害者と連絡を取り合い、真摯な謝罪をし、被害弁済を行い、的確な示談書を作り、さらには示談の成立を検察官へ的確に伝える。
こうした一連の手続きを、弁護士を通さずに自分だけで行うのは、なかなか難しいでしょう。

弁護士に依頼をすれば、被害者の感情にも配慮しつつ、トラブルを避けてスムーズな示談交渉を行ってくれます。

そのため、もし器物損壊事件を起こしてしまったら、まずは弁護士に相談するのがおすすめです。

なお、起訴されてしまった場合でも、弁護士の働きかけにより、執行猶予付きの判決や刑の減軽が実現する可能性はあります。

まとめ

今回は、器物損壊罪での告訴について、成立要件や刑罰の内容、また自分が事件を起こしてしまった場合の対処法などを解説しました。

最後に、今回の内容をおさらいしておきましょう。

■器物損壊罪は、故意に他人の物を壊したり、傷付けたりすることで成立する犯罪

物理的に壊す行為のほか、本来の目的では使えないようにする行為も「器物損壊」行為にあたる

■器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料

■器物損壊罪は親告罪のため、告訴がなければ起訴されることもない

■器物損壊事件を起こしてしまったら弁護士に相談するのが賢明

タイトルとURLをコピーしました